「Summary」気管挿管は機械式人工呼吸を行う場合に必須であり, 救命処置の1つとして医療者の誰もがその手技を理解しておくべきである. 本稿ではその手技と合併症について概説する. 気管挿管を行う場合, 患者は危機的状態にあることが多く, 迅速な対応が必要とされる. このような場合でも処置を急ぐあまり, 必要物品の確認を怠ると処置中に重大な合併症を引き起こす可能性がある. まずバックマスクなどで換気を行い, 気管挿管に必要な物品が揃っていることを確認したうえで挿管手技を開始する必要がある. 挿管に必要な物品はあらかじめリストを作成し, 定期的な点検を行うことが望ましい. 喉頭鏡やその他挿管に用いる器材については日頃からその仕組みを知り, 手技に習熟しておく. 気管挿管の合併症には嗄声, 歯牙損傷, 食道挿管, 気道確保困難などがある. 救命処置として行う場合であってもこれらの合併症は最小限にとどめる努力を怠ってはならない.
「はじめに」気管挿管は重症呼吸不全状態に対して必須の診療行為であるが, 不適切な手技はときに合併症を生じるため, 救急救命治療を行う者は気管挿管の手技に習熟するべきである.
「Key words」気管挿管, 喉頭展開, 合併症