Summary
吸入ステロイド薬(ICS)をめぐりさまざまな問題が提起されている。本稿では,基本となるガイドラインを提示した後,いくつかの角度から現在の問題点を整理した。まず作用機序の点から,気管支喘息とは異なりCOPDではICSに対する反応が必ずしも良好ではないとの議論がある。次に副作用の点からは,感染のリスクを上昇させるとの懸念がある。最新のメタ解析でも,ICSは肺炎のリスクを有意に上昇させるとの成績が示された。増悪抑制の点からは,11件の過去の研究をレビューした結果,ICSにはCOPDの増悪を抑制する効果が無いことが示唆された。別の切り口として統計処理の点からも議論があり,処理方法が妥当でないと,大きく結論が異なるという事例が紹介されており,成績の解釈に警鐘が鳴らされている。一定の結論に至るには,今後さらなる臨床データの積み重ねが必要であるが,現時点で重要と思われる問題点を紹介した。
全文記事
COPDの薬物療法の新展開
COPD治療における吸入ステロイド薬をめぐる諸問題
Problems of inhaled corticosteroids in COPD
掲載誌
THE LUNG perspectives
Vol.19 No.2 53-57,
2011
著者名
海老原明典
/
桑平一郎
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
呼吸器
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
アレルギー科
/
老年科
媒体
THE LUNG perspectives
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

