アルコールを大量に摂取すると,アデノシン三リン酸(ATP)の急激な過剰消費が起こり,尿酸が過剰に産生される。そのためアルコール摂取量の増加に伴い,痛風発症の相対危険度は上昇する。一方でビールは他のアルコール飲料と比較して痛風発作のリスクが高い。低プリン体ビールでは血清尿酸値の上昇が抑制され,ビールの凍結乾燥物の水溶液が血清尿酸濃度を有意に上昇させることから,アルコールに含まれるプリン体含有量が血清尿酸値に大きく影響していると考えられる。ビールに比べ低プリン体ビールは,血清尿酸値上昇および痛風発作予防の観点から望ましいと考えられるが,低プリン体ビールもアルコールを含有しており過剰な摂取により血清尿酸値が上昇すると考えられる。また飲酒習慣のある人は血清尿酸値が上昇しやすいため,低プリン体ビールに関しても注意が必要である。ノンアルコールビールの血清尿酸値・痛風への影響は十分な検討がなされておらず今後の課題である。
「key words」アルコール濃度,プリン体,ATP,生活習慣