「Summary」尿酸はpKa(解離指数)が5.75の弱酸である。非解離尿酸(uric acid)はpHの上昇に伴って解離尿酸(urate)に転換してゆき,pH 5.75で両者は平衡状態になる。pHがほぼ7.4±0.005に維持されている組織液中では98%の尿酸は解離していて,共存するNa+と結合して尿酸ナトリウム塩の形で存在している。尿酸ナトリウムの飽和濃度は7.0mg/dLで,この値を越えたら結晶の析出が始まり,組織への蓄積が進むと痛風発作や痛風結節などの病態が発現する。一方,非解離尿酸(uric acid)が生体内で病原性を発揮するのは腎臓以下の尿路である。pHがpKa以下の酸性尿中では尿酸結晶が容易に析出し,急性尿酸性腎症,尿酸結石,腎機能障害などの病態を惹起する。非解離尿酸と解離尿酸は,病原性を発揮する場所も病態も全く異なるので,明確に区別する必要がある。
「Key Words」非解離尿酸(uric acid),解離尿酸(urate),尿酸ナトリウム,尿酸溶解度,痛風発作,尿酸結石,急性尿酸性腎症