今後,ますます高齢化社会を迎え,同時に認知症の患者も増加すると推測されている.認知症患者の排尿状態を把握することは困難である場合が多い.長時間尿動態データレコーダー「ゆりりん®」(以下,「ゆりりん®」)は超音波にて24時間膀胱内の尿量を定時的に測定できるため,意思の疎通が図れない患者や尿意を訴えない患者の排尿記録に代用できる.今回,われわれは認知症患者15名に「ゆりりん®」を装着し,排尿状況を観察したので,その有用性,問題点について述べた.入院の契機は感染症(肺炎,尿路感染症と脳炎)が6名,くも膜下出血が3名,脳出血の後遺症が1名,大腿骨などの骨折が2名,低栄養が1名,癌(下顎骨肉腫,卵巣癌)が2名であった.認知症の患者は一般には機能性尿失禁と切迫性尿失禁が多いと報告されているが,合併症によって排尿パターンは個々で異なるため「ゆりりん®」を用いた残尿測定,排尿記録は投薬,間欠導尿のタイミング,排尿指導など排尿管理を行うには有益であった.問題点としては「ゆりりん®」を外してしまうことが多いことと,体型や体位による影響を受けやすいことであった.
「Key Words」認知症,排尿障害,長時間尿動態データレコーダー「ゆりりん®」
「Key Words」認知症,排尿障害,長時間尿動態データレコーダー「ゆりりん®」

