「はじめに」今日さまざまな泌尿器外科手術手技において, 従来の開放手術から内視鏡下低侵襲手術への移行が急速に進みつつある. 手術支援ロボットはストレスの少ない, より複雑で繊細・緻密な手術手技を可能とし, また3次元拡大視野による正確な画像情報を取得できるため, より安全かつ侵襲の少ない手術が可能となる. ロボット支援手術は, 従来の内視鏡下手術の利点をさらに向上させ得る次世代の医療改革の一端を担う分野と考えられる. 本項では, 2012年4月より保険適用となったロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘術(robot-assisted laparoscopic radical prostatectomy;RALP)について現状と展望, さらに今後の課題について述べる.
「手術支援ロボット導入の現状」手術支援ロボット“da Vinci S Surgical System(ダ・ヴィンチS手術システム)(Intuitive Surgical, Inc.)”は, 欧米を中心にすでに1997年より臨床応用され, 米国では約1,400台, 欧州では約350台, 韓国では約35台が稼動しており, 特に米国では根治的前立腺全摘術の約80%がロボット支援手術として実施され, 腹腔鏡下根治的前立腺全摘術(laparoscopic radical prostatectomy;LRP)はほとんど行われなくなっている.