「はじめに」腎機能低下は糖尿病, 高血圧, 脂質異常症などと並ぶ心不全発症の独立した危険因子である1). 一方, 心不全患者ではしばしば腎障害を合併し, 腎機能低下は心不全発症後の予後規定因子でもある. このような両者の密接な関連性は心腎連関(cardio-renal syndrome)として注目されているが, 両者を結び付ける分子生物学的機序は明らかになっていない. 胎盤増殖因子(placental growth factor:PIGF)は血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)ファミリーに属するサイトカインであり, 血管新生および血管透過性の調節を介して心血管疾患の発症機序に深くかかわっている. 最近筆者らは, 腎機能低下に伴って血中PIGFおよび可溶性VEGF受容体が変動することが心血管疾患の病態に関与する可能性を示してきた.
「KEY WORD」chronic kidney disease,atherosclerosis,cytokine