「Summary」細胞が栄養飢餓に陥ると細胞内栄養センサーであるmTOR complex1(mTORC1)の不活性化を介してさまざまな飢餓応答が起こる.mTORC1はセリン・スレオニンキナーゼであるmechanistic Target of Rapamycin(mTOR)などからなる複合体であり,インスリンなどの成長因子やアミノ酸によってその活性が制御される.mTORC1による飢餓応答のうちに,細胞内大規模分解系であるオートファジーがある.オートファジーはmTORC1によって栄養条件下では抑制されているが,飢餓条件下ではmTORC1による抑制が解除され,オートファジー誘導の最上流に位置するunc-51 like kinase(ULK)複合体が活性化することで誘導される.オートファジーは生体では蛋白質の分解を通じて,飢餓応答に必要な蛋白質の材料となるアミノ酸を供給していると考えられている.
「Key Words」アミノ酸,mTORC1,リソソーム,ULK1複合体,オートファジー