糖尿病治療の最終目標は,「健康な人と変わらないQOLの維持と寿命の確保」にあり,この目標を達成するためには厳格な血糖コントロールを維持することにより,糖尿病性合併症の発症・進展を阻止する必要がある。近年,新たなインスリン製剤および経口糖尿病薬が登場したことにより,糖尿病治療が著しく進歩したといえるが,この進歩が糖尿病治療の目標達成に貢献しているか否かを検証するためにも,糖尿病患者の死因および死亡時年齢を経時的に調査することには大きな意義がある。わが国においては,アンケートによる糖尿病患者の死因と死亡時年齢に関する調査が,過去4回にわたって行われてきた1)-4)。そこで本稿では,最も新しい2001~2010年における調査結果について概説するとともに,過去の成績および海外での成績と比較検討してみたい。
「KEY WORDS」死因,死亡時年齢,悪性新生物,血管障害
「KEY WORDS」死因,死亡時年齢,悪性新生物,血管障害