糖尿病とは,インスリン作用不足に基づく慢性の高血糖状態を主徴とする代謝症候群であり,その発症において遺伝因子と環境因子が関与する。日本糖尿病学会による糖尿病診断基準検討委員会から2012年に報告された「糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告」では,糖尿病は成因に基づいて大きく4つに分類されている。インスリン作用の伝達機構や脂肪細胞分化などに関与する遺伝子における変異が原因となり,高度のインスリン抵抗性を惹起して糖尿病を含めた臨床症状を呈する病態が存在する。このようにして発症する糖尿病は前記の成因分類によると,「その他の特定の機序,疾患によるもの」のうち,単一遺伝子病として「インスリン作用の伝達機構に関わる遺伝子異常」が同定されたもの,もしくは「その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことの多いもの」に位置づけられる。
「key words」インスリン抵抗性,インスリン受容体異常症,遺伝子変異,脂肪委縮症,糖尿病