「はじめに」定型的な糖尿病性神経障害では,痺れや痛みが左右対称性に下肢から出現し慢性の経過をたどる。糖尿病患者の約10~20%に痺れ・痛みが認められるが1),この痛みは外傷や炎症などによる「侵害受容性疼痛」とは性質が異なる「神経障害性疼痛」に分類される。自発痛の他に,軽い触刺激などでも痛みが起こるアロディニア(異痛症)や痛覚過敏がみられ,夜間の増悪が多いのが特徴である。軽症例は血糖コントロールと生活習慣の改善で軽快するが,中等度以上の痛みが持続する患者では,不眠や抑うつ,自律神経障害を伴うことも少なくない。痛みが遷延すると脳に記憶され難治化するため,早期の適切な疼痛対策が望まれる。
「key words」有痛性糖尿病性神経障害,プレガバリン,デュロキセチン,三環系抗うつ薬,オピオイド