「はじめに」インスリン抵抗性とは,インスリンの標的となる臓器において,インスリン作用が低下していることを指す。臓器別にみるとインスリンの標的臓器は主に,肝臓・骨格筋・脂肪である。一般的に,肥満に伴いインスリン抵抗性が出現すると考えられているが,そのメカニズムは大型化した脂肪細胞から分泌される遊離脂肪酸(free fatty acid:FFA)などのさまざまな物質が末梢組織に対しインスリン抵抗性を惹起すると考えられている。ヒトにおいて過剰なエネルギーの大部分は脂肪組織に蓄えられるが,それ以外の臓器にも脂肪は蓄積し異所性脂肪と称される。近年,ヒトにおいてproton magnetic resonance spectroscopy(1H-MRS)法でインスリン標的臓器である肝臓や骨格筋における異所性脂肪の測定が可能になった。
「key words」異所性脂肪,身体活動量,アディポネクチン,脂肪酸トランスポーター,最大酸素摂取量