はじめに  糖尿病の治療目標は,血糖値を適切にコントロールすることにより,糖尿病の合併症の発症を阻止すること,また,合併症がすでに発症している場合はその進展を止めることにある。  現在,血糖コントロール指標の代表としてとして用いられているのは,HbA1cと血糖値である。近年,これらの指標に加えてグリコアルブミン,1,5AGなどの指標も使用される機会が増加してきた。これらの指標の中のゴールドスタンダードは,過去数ヵ月の血糖コントロール状況の指標であるHbA1cである。しかし,HbA1cはあくまでも,長期にわたる血糖変動の平均値を反映する指標であり1),日々の細かな血糖変動を必ずしも反映しない2)。  多くの糖尿病患者において,血糖値は食後を中心に激しく上下している。この血糖変動を把握する手段として,世界中で頻用されているのは,血糖自己測定(Self Monitoring of Blood Glucose:SMBG)による血糖値である。しかし,SMBGは測定時点の血糖値を把握することができるが,その時点の血糖値が上昇傾向にあるか,変化がないのか,下降傾向にあるのかを推測することは困難である。  1990年代後半から,このSMBGが抱える問題を,連続測定することにより解決する, 持続血糖モニター(Continuous Glucose Monitoring:CGM)が登場してきた。本稿では,CGMについて,さらにCGMを用いた臨床研究について概説する。