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糖尿病と感染症
Ⅲ 感染症,炎症とインスリン抵抗性,2型糖尿病 感染症,炎症と2型糖尿病(総論)
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.21 No.3 320-325,
2010
著者名
山本貴信
/
菅波孝祥
/
小川 佳宏
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
糖尿病
/
感染症
診療科目
一般内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
Diabetes Frontier
「はじめに」過食や運動不足により発症する肥満, 糖尿病や高血圧, 動脈硬化性疾患に代表される生活習慣病やメタボリックシンドロームに共通する基盤病態として「慢性炎症」が注目されている1). 慢性炎症では, 比較的短期間に炎症反応の活性化と退縮を生じる急性炎症と異なり, 長期にわたるストレス応答のために実質細胞と間質細胞の相互作用が遷延化し, 適応の破綻により不可逆的な「組織リモデリング」を生じて臓器の機能障害をもたらす. 組織リモデリングの前段階となる低レベルの炎症状態においても内皮細胞機能障害やインスリン抵抗性が誘導され, 糖尿病や動脈硬化性疾患の原因になる. 一方, 生活習慣病やメタボリックシンドロームの上流に位置する肥満の脂肪組織では, 脂肪細胞の増殖・肥大化, リンパ球やマクロファージなどの免疫担当細胞の増加, 血管新生, 細胞外マトリックス産生の増加, アディポサイトカイン産生調節の破綻が認められ, 動脈硬化の血管壁における「血管壁リモデリング」に酷似した「脂肪組織リモデリング」ともいうべきダイナミックな変化をきたしている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

