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インスリン治療―科学的根拠とその実践―
Ⅱ 多様化するインスリン治療のアウトカムは 合併症症例や放置例のインスリン治療は合併症の進展を阻止するか
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.20 No.2 202-206,
2009
著者名
浜野久美子
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
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眼科
/
老年科
/
小児科
媒体
Diabetes Frontier
「はじめに」厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」において糖尿病が「強く疑われる人」は約890万人(2002年調査は約740万人)と報告されたが, 治療状況については, 40歳以上で「現在治療を受けている」と回答した人の割合は男性56.9%, 女性54.1%と増加しているが, 「ほとんど治療を受けたことがない」の割合が40%と依然として高く, 5%前後は中断であった(図1). 中断・放置が細小血管障害の重複, 重症化の危険因子であることはすでに報告されている1). 増え続ける糖尿病患者の血管合併症予防, 予後改善を図るためには中断・放置を防ぐ施策が必要であり, “糖尿病予防のための戦略研究 かかりつけ医による2型糖尿病診療を支援するシステムの有効性に関する研究”(J-DOIT2)が進行中でその成果が待たれる. 現実的には少なからぬ未受診者や治療中断, 放置例に対するアプローチをどうするかが臨床上の大きな問題である. 対象の性質上, 大規模臨床試験で解答が出せるものではなく, また, 2型糖尿病の自然歴からすると実際の糖尿病発症と診断には相当年数の隔たりがある可能性もあり“放置”の定義もあいまいであることからいわゆるエビデンスは存在し得ないだろう.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

