2000年,米国小児科学会は食物アレルギー予防の目的でアレルギー発症リスクの高い乳児に対し,乳製品の導入は1歳まで,卵は2歳まで,ピーナッツは3歳まで遅らせることを推奨した1)。しかしその後の出生コホート調査から離乳食の導入を遅らせることはアレルギー発症予防として支持されないというデータ2)-4)や,導入を遅らせることで逆に食物や吸入抗原の感作が増加することを示唆した報告がでた5)。そして2015年,Learning Early About Peanut allergy(LEAP) study6)によって,ピーナッツを離乳期早期に導入するとアレルギー発症率が有意に低くなることが報告され,食物アレルギー発症予防のために離乳食を遅らせることは間違っていたことが明らかになり,アレルゲン食品を離乳期早期に導入するさまざまな検討が行われるようになった7)-13)。しかし,“Con”の立場に立って,これら優れた研究をみてみると,これから述べるさまざまな問題点(表1)が未解決であり早期導入は時期尚早と考える。


本討論は,問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対しあえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。


Proの立場から/高増哲也

・Conの立場から/近藤康人

エディターズコメント/海老澤元宏