「Summary」非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)過敏喘息は,重度の好酸球性炎症や鼻茸・好酸球性副鼻腔炎など,成人発症重症喘息の病態を併せ持ち,cysteinyl leukotrienes(CysLTs)過剰産生と密接に関わっている。血小板と顆粒球間のtrans-cellular biosynthesisによるCysLT産生亢進やPKA活性低下によるPGE2-EP2の抑制シグナルの機能不全など新たな機序も明らかになっている。アスピリン誘発発作時に,腹痛などの気道外症状も併発する重症例では,全身性のマスト細胞の活性化に伴いPGD2が過剰産生されており,アスピリン耐性の誘導化も難しいことが明らかとなっている。以上,NSAIDs過敏喘息は,脂質メディエーターの側面からみても,多様な炎症病態が示唆されている。
「Ⅰ 定義」非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)過敏喘息は,プロスタグランディン(PG)合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用,特にCOX-1阻害作用を有するアスピリンなどのNSAIDsにより,強い気道症状(鼻閉,鼻汁,喘息発作)を呈する非アレルギー性の過敏症(不耐症)である1)2)。
「Key words」NSAIDs過敏喘息,脂質メディエーター,trans-cellular biosynthesis,シクロオキシゲナーゼ(COX)