Summary  生体膜の脂質を基質として産生される脂肪酸代謝物のうち,ω-6不飽和脂肪酸であるアラキドン酸(AA)を基質として産生されるプロスタグランジン(PG),ロイコトリエン(LT)は,アレルギー疾患をはじめとする種々の疾患で重要な炎症性メディエーターとして作用している。リポキシン(LX)はAA代謝産物であるが,抗炎症性・消炎症性に作用し,ω-3不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA),ドコサヘキサエン酸(DHA)より合成されるレゾルビン(Rv)やプロテクチンも抗炎症性・消炎症性メディエーターとして作用する。これら脂質メディエーターの調節機構や生理的役割の解明は,創薬や治療への道を開くものである。