大腿骨近位部骨折は加齢に伴って発生率が上昇するため,予防のターゲットは70歳以上の高齢者であり85歳以上では男性でも予防が重要となる.また脆弱性骨折の既往例においてそのリスクが著しく高まっているため,予防は脆弱性骨折例をターゲットとするのが効率的である.大腿骨近位部骨折のリスクの高い症例では,その予防には窒素含有ビスホスホネートあるいはデノスマブが第一選択薬となる.
「はじめに」近年,骨粗鬆症治療薬は長足の進歩を遂げ,椎体骨折抑制に加えて大腿骨近位部骨折抑制に対する効果が示された薬剤が登場している.その一方,欧米では大腿骨近位部骨折の発生率(年齢補正後)が経年的に低下しているのに対し,わが国では上昇が観察されている.そこで,大腿骨近位部骨折の発生リスクが高い症例を的確に評価し,本骨折発生の抑制を目指した新しい取り組みが開始されている.
「key words」骨粗鬆症(osteoporosis),大腿骨近位部骨折(hip fracture),二次骨折防止(secondary fracture prevention),ビスホスホネート(bisphosphonate),デノスマブ(denosumab)