新刊
特集 各がん種のoncology領域や薬物療法の進歩、この5年間で何がどう変わった?
乳がん
掲載誌
Pharma Medica
Vol.42 No.3 31-36,
2025
著者名
尾崎 由記範
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
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乳腺外科
媒体
Pharma Medica
Key Words
トラスツズマブ デルクステカン
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サシツズマブ ゴビテカン
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ダトポタマブ デルクステカン
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カピバセルチブ
近年、乳がん治療における薬物療法は、分子標的治療や免疫療法の進展により大きな変革を迎えている。2020年以降、日本においても複数の薬剤が新たに承認あるいは適応拡大され、HER2陽性乳がんに対するトラスツズマブ デルクステカン、HER2-lowやultralowに対する適応拡大、TROP2を標的としたサシツズマブ ゴビテカンやダトポタマブ デルクステカン、AKT阻害薬カピバセルチブ、さらにTNBCに対する術前術後ペムブロリズマブ、再発高リスクのHR陽性HER2陰性早期乳がんに対するアベマシクリブやテガフ・ギメラシル・オテラシルカリウムなど、多様な作用機序をもつ薬剤が治療選択肢に加わった。本稿では、これら新たに承認されたあるいは適応拡大された薬剤について、作用機序、主要臨床試験の結果、および臨床における意義を概説する。乳がんにおける個別化医療の進展とともに、治療戦略の最適化が進むなか、今後もバイオマーカーを指標としたさらなる個別化が期待される。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。