肺がん診療は、過去5年間(2020年~2025年)で劇的な変化を遂げた。これまでの進行・再発期中心の薬物療法開発に加え、根治を目指す周術期治療へと戦略が大きく拡大した。切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)においては、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)や分子標的薬が術前・術後の新たな標準治療として確立され 、生存期間の有意な延長が示された。進行・再発期NSCLCでは、KRAS G12C変異やHER2変異など、これまで治療困難であったドライバー遺伝子変異に対する新規分子標的薬、抗体薬物複合体(ADC)が登場し、治療選択肢が著しく増加している。これらの進歩は、肺がん治療成績の向上と個別化医療のさらなる推進に大きく貢献している。