近年,B細胞性腫瘍に対するキメラ抗原受容体発現T細胞[CAR(chimeric antigen receptor)-T cell]の輸注療法(CAR-T細胞療法)の驚異的な臨床効果によって,がん免疫療法に対する大きな期待と関心が向けられている。メガファーマの相次ぐ参入により有効かつ安全性の高い基盤技術の開発競争が激化しているなかで,CAR-T細胞療法の研究開発の動きは今後さらに加速度的に進むことが予想される。しかし,2017年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)に承認されたノバルティス社のKymriah®の価格は47.5万ドル(約5,260万円),Kite Pharma社のYescarta®は37.3万ドル(約4,130万円)であり,現状でのCAR-T細胞療法には莫大な費用がかかるため,広く普及するためには製造コストの低減が必要不可欠である。本稿では,CAR-T細胞製造の現状について取り上げたい。
「KEY WORDS」キメラ抗原受容体,細胞製造の自動化, ロッキングモーションバイオリアクター,閉鎖系高密度培養
「KEY WORDS」キメラ抗原受容体,細胞製造の自動化, ロッキングモーションバイオリアクター,閉鎖系高密度培養

