小特集 わが国の甲状腺分野における歴史と人物
橋本病と橋本策先生
掲載誌
Pharma Medica
Vol.33 No.4 130-133,
2015
著者名
網野 信行
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
一般内科
/
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」人名の付いた病名や症候群はかなりの数にのぼる。内科の国際的教科書で巻末索引に引用されている人名の付いた病名は200余りにのぼる。このうち,日本人の病名が付き,どの教科書にも記載されているものは橋本病と川崎病の2つしかない。なかでも,橋本病は日本人名の付いた代表的な疾患である。最近,橋本病の概念も自己免疫疾患であることを背景にかなり拡大し,成人女性の20~30人に1人は存在することが明らかになっている。この橋本病の発見者はどのような人物だったのであろうか。明治~大正時代にかけて日本の医学をリードし,また世界の医学会で活躍したパイオニアには,北里柴三郎,野口英世,鈴木梅太郎,高峰譲吉ほか,かなりの人物がいる。いずれも生存中に優れた業績が世に認められ,大学の教授職やその他の重要な地位についている,いわゆる功成り名を遂げた人達ばかりである。唯一,橋本病の発見者橋本策(はかる)博士は,生存中にそのような栄誉を受けることなくこの世を去っている。そのため,橋本策のことについてはわが国においても意外と知られていない。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

