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文学にみる病いと老い

第73回 「山の音」川端康成


掲載誌
Pharma Medica Vol.31 No.2 200-205, 2013
著者名
長井 苑子 / 泉 孝英
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
老年科 / その他
媒体
Pharma Medica

「川端康成「山の音」」時代とともに, 「家族の物語」というものも大いに変化してくる. 世代, 性, 立場の違いのある人間が一緒に住むことで起こってくるさまざまな人間関係を中心にした家族の物語は, 「核家族*1」の時代では遠い昔ばなしとなっている. 子育て真っ最中の世代の家庭にも, 孫の世話というおばあさんの役割はなさそうである. 長寿社会*2となると, 患者さんからの生の声の中心を占めているのは, 老夫妻の問題, 認知症の問題, 介護の問題などであり, 昔のように嫁と姑*3, 嫁と舅*4などの心理のひだまで踏み込んだような人間関係が語られることは少ない. 川端康成の昭和29年に刊行された小説「山の音」は, 同居している3世代の人物の交流, そして, 主人公の老人(まだ61歳であるが, 当時では老人扱いであったろう)の心模様がじっくりと読める. 日々接していないと, やはり, こういう光景や心理風景は出てこないのではないかと思われる昔の話である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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