はじめに  直接服薬確認療法(Directly Observed Treatment, Short-course;DOTS)とは,1995年に世界保健機関(WHO)が提唱し,政府の関与を明記したDOTS戦略が由来であり,日本では2000年に「日本版21世紀型DOT戦略」として退院後の服薬支援体制について厚生省(当時)が各自治体に通知したのが始まりである。DOTSを「対面服薬治療」,DOTを「服薬監視」などと訳されたため,目の前で服薬させることがDOTSそのものであると誤解されがちであるが,行政や関係機関が協力して結核の治療完遂のために患者を支援する包括的なしくみと理解すべきである。そして法的根拠として,感染症法では主治医によるDOTSの指示・実施が規定されており,「医師は,結核患者を診療したときは,本人またはその保護者若しくは現にその患者を看護する者に対して,処方した薬剤を確実に服用することその他‥‥必要な指示を行わなければならない。」と書かれている。 KEY WORDS ●DOTS ●結核 ●クリニカルパス ●地域連携