肺は代謝・生理・免疫など機能面においても,疾患の原因・病態・診断・治療など臨床面においても,他に類を見ない多様性を持つ。
本誌は成長・加齢に深く関わる気管支喘息・肺気腫・感染症・呼吸不全・肺癌などの疾患を対象に,分子生物学・生理学・形態学・生化学・免疫学などの広い視野から病因・病態・治療を捉える。最新の知見と,基礎的・古典的知識の双方を踏まえた新鮮で正確な情報を提供。
■特集 肺移植―呼吸器医が知っておきたい我が国の現状―
・序文/阿部信二
・我が国のレシピエント適応審査の現状/林清二
・我が国の肺移植の治療成績/伊達 洋至
・肺移植の適応疾患と現状(海外との比較も含めて)/平間 崇 ほか
・肺移植における呼吸器内科医の役割/半田知宏
・肺移植手続きまでの実際/秋場美紀 ほか
・肺移植の手術技術とその進歩/白石武史
・肺移植後拒絶反応への対策と慢性移植肺機能不全/中島崇裕 ほか
・肺移植後の呼吸器感染症対策/橘 和延
・間質性肺炎、特にIPFに対する肺移植(症例を含めて)/千田雅之
・Idiopathic Pleuroparenchymal Fibroelastosis(IPPFE)に対する肺移植/椎谷洋彦 ほか
・基礎医学とのダイアローグ
①造血幹細胞移植後の移植片対宿主病の病態メカニズムとその制御/池川俊太郎 ほか
②移植片対宿主病に対する間葉系幹細胞治療/井上槙也 ほか
■連載
○Medical Topics 第72回
「ディーゼル排気微粒子による芳香族炭化水素受容体を介した喘息の増悪」/石原康宏 ほか
○最新の医学論文を読みこなそう! 第36回
「制御されたネクローシス型細胞死」/今川佑介
○医療と哲学 第63回
「死別の悲嘆とスピリチュアリティー―グリーフケアと日本人(7)」/島薗 進
○第一線で働く医師たちからのオピニオン
「住み慣れた土地で安心して最期まで暮らせるように」/小松佳道