現在において壮年層のおよそ20%が高尿酸血症を呈している状況を鑑みると,今や痛風は糖尿病と並ぶ現代成人病の一つと考えられる。本誌は,高尿酸血症を核として,プリン体代謝から痛風までの諸問題を幅広く取り上げ,基礎研究者はもとより,整形外科をも含む直接臨床に携わる各科の方々の研究・診療の一助となるべく,毎号,最新の研究・情報を提供する。
■特集 高尿酸血症ガイドラインの今後の動向
1.尿酸の基礎
(1)非解離尿酸(uric acid)と解離尿酸(urate)による高尿酸の病態/清水 徹
(2)近年の生活習慣の変化と血清尿酸/谷口敦夫
(3)病型分類の新展開/津谷 寛 ほか
2.痛風発作の治療
(1)わが国のガイドラインと他国のガイドラインとの違い/藤森 新
(2)今後の展望―FORTUNE-1の臨床研究をふまえて―/山本徹也
3.高尿酸血症の治療―特に薬物療法について―/山本徹也
4.無症候性高尿酸血症の治療
(1)CKDの合併について/細谷龍男 ほか
(2)高血圧の合併について/大野岩男
(3)糖尿病の合併について/程 継東 ほか
(4)脂質異常症の合併について/藏城雅文
(5)心疾患の合併について/杉原志伸 ほか
■連載
○患者教育実践講座・46
高尿酸血症の患者にもすすめられる食品/森脇優司
○高尿酸血症と心血管障害 第5回/小島 淳
○血清尿酸値に影響を与える薬剤 第5回
免疫抑制薬(2)/山内高弘 ほか
○症例検討―症例を読む
HPRT部分欠損症の1例/藏城雅文
○痛風Q&A
・わが国に痛風専門医の資格をもつ医師はいるのでしょうか/藤森 新
○最新文献紹介
・痛風と認知症リスク;住民ベースの全国コホート調査/箱田雅之
・慢性腎臓病において血中キサンチンオキシダーゼ活性は尿酸値と独立した心血管疾患の予測因子である/嶺尾郁夫
○巻頭グラビア
目でみる食事療法Ⅵ
―インスリン抵抗性を有する高尿酸血症・痛風の食事療法―/金子希代子 ほか