本書『医療従事者に知って欲しいSMBG血糖自己測定手技のマニュアル』(以下,マニュアル本)は,主に医療従事者が血糖測定を必要とする患者に,SMBG(Self-Monitoring of Blood Glucose:血糖自己測定)を正しく指導するための指針として作成し,できる限り基本的な手技の流れに沿って,イラストと簡潔な文章でまとめることに配慮した。
また,マニュアル本を長く利用してもらうため,SMBGで共通する手技手順を中心に記載し,各メーカーが取り扱っている血糖自己測定器(以下,機器)や,穿刺器具(以下,器具)の細かい違い(特徴)については,各社の説明書を参照してもらうこととした。
なお,SMBGに関する詳細な説明やその根拠は,われわれが2012年に出版した『医療従事者に知って欲しいSMBG血糖自己測定手技のポイント』(以下,ポイント本)を参照してもらいたい。また,相互の本の連携が取りやすいように,マニュアル本の各見出しにはポイント本の対応ページがあれば記載を行った。
マニュアル本の原則的な構成としては,「1.なぜその手順が必要なのか」,「2.具体的な手順」,「3.注意しなければならない点」の大きく3つに分けた。各手技項目についてこれら3点を理解することで,医療従事者は患者へ正しくスムーズな説明ができると考える。
また,必要に応じて「コラム」,「Q&A」,「MEMO」の欄を設けた。コラムはわれわれが臨床現場で体験したり,聞いたりした内容を紹介したもので,Q&Aは実際の臨床現場で患者からよく聞かれる質問内容をまとめたものである。
MEMOに関しては,読者の自験例や新たに得たノウハウを書き加えるためのものであり,本書を自分オリジナルのマニュアル本に仕上げてもらえれば幸いである。
(「本書の使い方」より抜粋)
第1章 血糖測定の準備
1.測定場所を確保し,機器の状態を確認する
2.器具,機器,指導資料を準備する
第2章 穿刺方法
1.穿刺前の手洗い・消毒・乾燥
2.穿刺部位と穿刺の深さの決定
第3章 採血方法
1.穿刺後に血液を絞り出す方法
2.採血量の目安
第4章 測定手技
1.血液の点着,血液が十分点着できたときの確認,測定結果
第5章 穿刺後,測定後の処理
1.穿刺部位の処置(出血時の対応を含む)
2.器具・機器の後処理
第6章 メンテナンス(トラブル対応)
1.電池切れについて
2.エラーメッセージについて
3.メーカー問い合わせ先について
第7章 その他
1.補助具について
2.SMBGノート(自己管理ノート)
3.器具・機器の選び方
付録:患者さんに血糖自己測定手技を説明するときのポイント一覧