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アンチエイジング薬としてのARB

ARBによる骨年齢改善

志水秀郎中神啓徳森下竜一

Anti-aging Science Vol.2 No.2, 24-30, 2010

「はじめに」 高齢化社会においては, 種々の疾患が複雑に絡みあい病態が多様化しており, 共通の病因背景を共有する場合も少なくなく, 包括的な治療が望まれている. 高血圧と骨粗鬆症においても(1)加齢とともに進行すること, (2)合併症を併発するまでは無症状に経過すること, (3)遺伝的素因と環境因子の両方が関与すること, などの共通点を示している. 両者の関係は高血圧患者のカルシウム代謝に着目して説明されてきたが, 近年その背景にレニン・アンジオテンシン系が深く関わっていることが判明してきたので紹介したい(図1). 「高血圧と骨粗鬆症」 高血圧患者においてはカルシウム代謝が損なわれており, 尿中へのカルシウム排泄量の増加が報告されている1). また血圧と血清カルシウム濃度が逆相関する一方で, 血圧と副甲状腺ホルモン(PTH)との正相関が報告されており2), 高血圧患者においては, 尿中へのカルシウム排泄増加に伴い, 2次性副甲状腺機能亢進症を惹起して, 骨からのミネラル損失を誘導すると考えられている.

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