アンチエイジングをめぐる最近の話題 PART 1
骨年齢と血管年齢
Anti-aging Science Vol.1 No.1, 14-16, 2009
「はじめに」骨粗鬆症は高齢化社会でともに急増する疾患であり生活習慣病との関連が推察されるが, 疫学的な解析において高血圧は骨粗鬆症と関連する報告がある. また, 血管老化の1つの現象である石灰化は近年骨代謝分子との関連が着目されている. このような観点から, 本稿では骨代謝と血管老化に関して概説する. 「I 高血圧症と骨粗鬆症の疫学的な相関」疫学的な観察研究では女性を対象とした臨床研究で収縮期血圧と大腿骨の骨密度(bone mineral density:BMD)の年次減少率との間に負の相関が認められており1), 65歳以上の女性に限った解析において高血圧症が骨折の頻度を増加させるということも報告されている2). 高血圧患者で尿中のカルシウム排泄は増加していることが知られているが, これが2次的に血中副甲状腺ホルモン(PTH)の増加, 腸管でのカルシウム吸収の増加などを引き起こす3). 実際に尿中カルシウム排泄の増加は骨量とは逆相関する.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。