高齢がん患者の診療が難しい理由の1つに,高齢者の多様性がある。すなわち,高齢者という集団は「暦年齢」という大雑把な指標で規定しているため,そのなかには元気な高齢者もいれば,元気でない高齢者もいることになる。同じ暦年齢でも,この患者には標準治療を提供できる,この患者は標準治療ではなく用量を減らした治療しか提供できない,という「見極め」が必要になる。しかし,この見極めは経験豊かな臨床医でも難しいため,経験が乏しい臨床医では患者本人にとっては強すぎる治療を提供してしまったり,毒性を怖れるあまり治療を手控えてしまったりすることがあり得る。よって,暦年齢以外の要素を「経験と主観」に基づいてではなく,「客観的・系統的」に評価した上で治療方針を決める手法が必要になってくる。
胆道がん・膵がん-診断・治療Q&A-
Q2. 高齢者機能評価について教えてください
掲載誌
胆膵 Oncology Forum
Vol.2 No.2 30-32,
2022
著者名
水谷 友紀
記事体裁
Q&Aシリーズ
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抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器外科
/
腫瘍内科
/
消化器内科
媒体
胆膵 Oncology Forum
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。