<< 一覧に戻る

新着

期待される最新研究

胆膵がんにおけるAI診断の可能性

橋本裕輔

胆膵 Oncology Forum Vol.1 No.1, 34-38, 2020

近年ディープラーニング(深層学習),人工知能やAI(artificial intelligence)という言葉を聞く機会が日常生活でも増えてきた。人間ができないことや時間がかかることを簡単に行うことができ,私たちの生活を便利に変えつつある。ディープラーニングを用いた研究は医療分野でもさまざまに取り組まれており,世界における成長分野の1つであり,医療的価値や商業的価値のある分野であることは間違いない。
AIが得意とするのは,「パターン認識」と呼ばれる作業である。パターン認識とは,現代社会に溢れる大量データ,いわゆる「ビッグデータ」を解析し,ここから何らかのパターン(模様,傾向,様式など)を見出す作業である。パターン認識の1例は画像解析(画像認識)である。ごく身近な例で説明すれば,Facebookのようなソーシャル・メディアに時々刻々とアップロードされる写真のような画像をコンピュータ,つまりAIが自動解析し,その画像に何が写っているかを識別する(=ある種のパターンを認識する)作業が画像解析である。AI,ディープラーニングがもつこの画像解析(パターン認識)の能力を医療に使うとすれば,応用事例は「画像診断」である。画像診断とは,患者の患部を撮影したX線写真,あるいはMRIやCTスキャンなどによる断層画像を(少なくとも,これまでは)専門医が目視して,さまざまな病気を診断する作業である。読影ができる専門医が不足している部分でもあり,ここにディープラーニングを導入すれば,こうした画像診断が自動化できると考えられている。がんにおける画像を用いたAIによる役割は多岐にわたり,前述したような実際の診療に応用できるアルゴリズムの開発がなされている1)。実際のがんの診療や研究において要求されているのは,どのように診断するか,どのように予後を予測するか,どのように治療を選択するかなどが肝要となっている(図1)1)
がんの診断に関与する診断モダリティーとして医師が認識するのは,目で認識する画像診断,内視鏡診断である。本稿では腫瘍領域におけるAIの開発を述べるとともに胆膵領域での現状も報告する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る