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誌上ディベート

胆膵がん術前胆道ステント留置

③各論を総括して

加藤博也

胆膵 Oncology Forum Vol.1 No.1, 20, 2020

従来,閉塞性黄疸を伴う悪性腫瘍に対しては術前に胆道ドレナージを行い,その後手術を行うというのが当然の流れであったが,近年世界的にその必要性について議論がされており,不要とするデータも出ている。しかし本邦では慣習的に胆道ドレナージ後に手術を行っており,昨年出版された膵癌診療ガイドライン2019年版ではBorderline Re-sectable膵がんのみならず,Resectable膵がんに対しても術前化学療法を行うことが提案された1)。胆道がんにおいてはいまだ術前化学療法の明らかなエビデンスはないものの,こういった背景から術前胆道ドレナージは今後も継続して行われるものと考える。
胆道ドレナージに使用されるステントには,プラスチックステント(PS)とメタリックステント(SEMS)がある。PSはSEMSより留置が容易,かつ安価であるというメリットがある一方で,SEMSはPSよりも開存期間が長いというメリットがある。
悪性腫瘍に対する術前の胆道ドレナージが非切除の悪性腫瘍に対する胆道ドレナージと大きく異なるのは,非切除の場合は恒久的なドレナージを意図したものであるのに対し,術前の場合は一時的なドレナージを意図したものであるという点である。恒久的なドレナージを意図した場合はステントの開存期間が長ければ長いほどよい,という考えが大前提としてあるためSEMSの留置が積極的に行われることが多いが,術前ドレナージの場合は留置期間が限られているためSEMSを使用することが必ずしも必要ではないという考え方も出てくる。また,検討すべき要素として,開存期間のみならずステント留置に伴う合併症の違いや,さらには周術期の合併症発症に与える影響の違いなど術前ドレナージならではの疑問も出てくる。
そこで今回の誌上ディベートが企画され,PSによる術前ドレナージを中心に行っている伊藤先生,SEMSによる術前ドレナージを中心に行っている塩見先生,それぞれのエキスパートに解説いただいた。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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