DICを理解するためのLecture
Part2 DICの治療戦略 ③敗血症に合併したDICの治療戦略
掲載誌
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
Vol.0 No.2 79-82,
2022
著者名
岡本 好司
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
血液
診療科目
血液内科
媒体
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
1950年代に産科疾患を基礎疾患とした播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;DIC)の発症報告があり,その後は急性白血病などの血液疾患や固形がんなどの基礎疾患が報告されてきた。一方,近年では感染(敗血症)や外傷,急性膵炎などの基礎疾患のDICも多く診療されている。わが国でのreal world dataの評価として,筆者らは,2010年から2012年までのわが国におけるDiagnosis Procedure Combination(DPC)データを用いて,DIC34,711例を検討した。基礎疾患は14,324例が感染症,7,026例が固形がん,3,823例が血液関連悪性疾患,887例が外傷,812例が急性膵炎であり,感染症は41.3%の高頻度であった¹⁾。したがって,敗血症に合併したDIC治療戦略に精通することは臨床の現場では最重要事項である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。