画像診断分野における人工知能 (AI) の適用は,ヘルスイノベーションの中でも最も有望な分野のひとつである.日本を含め米国や韓国,中国など豊富な資本を背景に数十を超えるAIベンチャーが学術集会等に併設の企業展示を席巻し,学術研究では有力ジャーナルがAIを専門に取り扱う専門誌を創設するまでに至った.自然な流れとして,学術研究成果の臨床応用へ向けた取り組みへと主要な関心は移ってきている.本稿では学術研究の成果を医療現場に届けるための仕組み作りに関するわが国での取り組みと,すでに臨床利用を開始している肺結節AIについて最新動向を紹介する.
「KEY WORDS」CT画像診断,AI肺結節,放射線