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Special Articles

臨床 新規バイオマーカー:proPSA

伊藤一人

ESPOIR Vol.5 No.2, 21-28, 2022

PSAの前駆体である[-2]proPSAは,より前立腺癌に特異的なバイオマーカーとして注目されてきた。わが国では2021年11月に[-2]proPSA関連マーカーであるprostate health index(phi)が保険適用となった。審査にあたっては,わが国で企画された前向きの多施設共同研究であるPROPHETの研究成果が利用されており,癌と非癌の鑑別のみならず,臨床的に重要な癌の診断精度も優れていることが評価された。臨床使用においては採血後の適正な検体保管が必要であるが,phiはPSA検査から生検適応決定までの前立腺癌診断フローに欠かせない検査になるであろう。今後の臨床研究により,phiを活用したより効率がよく精度が高い前立腺癌診断システムとオーダーメイド化された治療戦略の構築が可能になると期待できる。
「KEY WORDS」前立腺癌,前立腺特異抗原,バイオマーカー,proPSA,過剰診断

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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