自治体による住民健康診断(健診)において,前立腺がん検診の実施率は8割を超えるといわれている。しかし,実際にPSAを用いた前立腺がん検診を受ける人は限られており,前立腺癌と診断されたときには転移をきたしている患者も少なくない。さらに,2020年からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の広がりにより受診控えが続いており,がん検診への影響も懸念されている。
今回は,『前立腺がん検診ガイドライン2018年版』作成委員である医療法人社団美心会黒沢病院病院長の伊藤一人先生に,前立腺がん検診のこれまでの状況とコロナ禍における変化についてご紹介いただいた。