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Lecture 前立腺癌の診療のコツ

骨折予防について/骨吸収抑制薬治療による副作用対策について

松島常

ESPOIR Vol.2 No.2, 36-40, 2019

Q. 前立腺癌患者の骨折予防について教えてください。
A. アンドロゲン遮断療法(ADT)施行前立腺癌患者の骨折の多くは骨量減少による脆弱性骨折であり,新規アンドロゲン受容体(AR)阻害薬によるAR経路の強力な阻害により骨折のリスクは増大します。エストロゲン受容体(ER)経路の阻害による骨吸収亢進に加え,AR経路の阻害による骨形成低下と筋量減少(サルコペニア)が転倒による骨折を惹起すると想定されます。骨吸収抑制薬による骨量減少抑制効果は骨折予防に有効ではありますが,筋力低下を最小限に抑える運動療法などの包括的ケアが必要です。

Q. 骨吸収抑制薬治療における有害事象対策について教えてください。
A. 骨吸収抑制薬の最も重篤な有害事象は顎骨壊死(ONJ)で,骨転移症例に対する高用量の使用で起こります。ONJの予防には感染対策が重要です。ONJは難治性で患者のQOLを著しく損なう場合があるため,患者には口腔洗浄と定期的な歯科受診による口腔衛生管理を指導するとともに泌尿器科医は歯科医,口腔外科医との緊密な連携をとり,ONJの予防に努めることが肝要です。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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