診断や治療の進展によりがん患者の生存期間が延長しているが,それとともに骨転移を有する患者が増加している。骨転移によって起こる痛みや麻痺などの症状は,患者のQOLを悪化させる原因になる。日本整形外科学会では2018年,がん患者に起こるロコモティブシンドローム(がんロコモ)の対策に乗り出した。
今回は,整形外科医としてがん患者に起こる運動器障害の診療を積極的に行っている帝京大学医学部の河野博隆先生に,がん診療に整形外科が携わる意義と骨転移キャンサーボードの活動についてご紹介いただいた。