Q. 患者さんの精神的ケアのポイントはありますか?
A. 癌患者さんの精神医学的有病率は5割近くあり,精神疾患は治療に負の影響を及ぼすことから早期発見と対応が必要です。特にうつ病,せん妄などはほかの疾患とみなされたり見落としが多いことから,普段の臨床で注意しておくことが必要です。
精神的なケアは,まず患者さんの話を聴くことが大切です。話を聴くことで本人の有する問題点が明らかになってきます。そのなかで対応が可能な問題について,患者さんと解決方法を考えていくのがよいと思います。

Q. ご家族にも精神的なケアは必要ですか?
A. 必要です。ご家族も癌患者さんと同様に精神・身体・社会・実存面の負担を負っており,“第2の患者”と呼ばれる状態にありますから,状況に応じた適切な援助が必要です。ご家族は自分たちの苦悩を話してはいけないと考えていることも多いので,ご家族が自分の抱える問題点を話せるような環境づくりも必要です。