前立腺癌の薬物療法として,去勢治療を中心とした従来からのホルモン療法に加えて,近年アビラテロンやエンザルタミドといった新規アンドロゲン受容体標的薬が登場した。しかしながら,多くの進行性前立腺癌において各種ホルモン療法に抵抗性を示すようになることが,臨床上大きな問題である。それに加え,さまざまな治療選択肢が登場した現在,各種ホルモン療法の有効性を予測するバイオマーカーが確立されていないといった問題も存在する。
本稿では,新規アンドロゲン受容体標的薬を含めたホルモン療法に対する抵抗性の分子機序とホルモン療法に対するバイオマーカー開発の現状について,アンドロゲン受容体シグナルに関するものに焦点を当てて概説する。
「KEY WORDS」アンドロゲン受容体,去勢抵抗性前立腺癌,去勢感受性前立腺癌,一塩基多型,precision medicine
本稿では,新規アンドロゲン受容体標的薬を含めたホルモン療法に対する抵抗性の分子機序とホルモン療法に対するバイオマーカー開発の現状について,アンドロゲン受容体シグナルに関するものに焦点を当てて概説する。
「KEY WORDS」アンドロゲン受容体,去勢抵抗性前立腺癌,去勢感受性前立腺癌,一塩基多型,precision medicine