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連載 感染予防の実践!

院内・施設内感染症における実地疫学調査

山岸拓也

感染制御と予防衛生 Vol.2 No.2, 31-36, 2018

近年国内外で薬剤耐性菌の広がりがクローズアップされてきており,日本でも2016年に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2016-2020」が策定された1).そのなかでは,薬剤耐性菌感染症の集団発生への対応能力の強化が戦略のひとつに唱えられており,医療施設における薬剤耐性菌対策は重要性を増してきている.このような背景から,本稿では主に薬剤耐性菌アウトブレイクに対する実地疫学調査を扱うことにした.医療施設における感染症アウトブレイクは薬剤耐性菌によるものとは限らないが,他の場合でも基本的にポイントは同じであるため,適宜応用していただきたい.
疫学は集団における疾病の分布とその原因を調べる学問である.薬剤耐性菌アウトブレイクの実地疫学調査とは,薬剤耐性菌患者とその他の事柄の発生の偏りを定量化し,その関係を見ていくことで,アウトブレイクの原因究明につなげようというものである.「調査」としているが,原因究明の調査だけでなく,調査に並行してアウトブレイクのコントロールを図り,また将来のアウトブレイク予防につなげる活動も行うことが重要である.
「KEY WORDS」薬剤耐性菌,アウトブレイク,実地疫学,記述疫学,症例定義

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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