低ホスファターゼ症(HPP)の小児型は,運動発達の遅れや運動機能の低下などが診断のきっかけとなる場合がある.近年,アスホターゼ アルファが周産期重症型だけでなく,小児型,成人型にも投与が拡大している.治療効果判定と密接な関わりのある運動機能であるが,小児型においては児自身が持つ運動発達と重なり,成人型に比して評価が困難となっている.小児型HPP患者特有の運動機能評価法は存在しないため,「6分間歩行テスト」,「TUG」,「BOT-2」は治療効果判定の有用な方法となり得る.疾患として統一した方法で評価を継続し,データを積み重ねていくことが重要である.