低ホスファターゼ症(HPP)の主症状は「骨石灰化障害」と「乳歯の早期脱落」とされ,主症状が1つ以上で血清ALPの低値が認められた場合には遺伝子検査を行うとされている.
全身の症状が軽度な場合,乳歯の早期脱落症状を契機に医科での診断につながることもあり,HPPは歯科医師が最初に気づく可能性が高い疾患である.
現在,医科と歯科が連携したHPP早期発見への取り組みが全国で開始されている.今後は小児の歯科保健医療に関わる方々にHPPの理解を深めていただき,日本各地で乳歯早期脱落からHPPをスクリーニングできる診断システムの構築を行う必要があると考える.