原著
施設通所高齢者の筋力トレーニングにおける総仕事量と筋力変化量の関係
日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.6 No.1, 54-58, 2022
[目的]
施設通所高齢者の筋力トレーニング量を総仕事量で定量化し,筋力変化量との関係性を明らかにすることを目的とした。
[方法]
対象は施設通所高齢者40名(年齢77.8±6.7歳)とした。マシンによる筋力トレーニングを6ヵ月間実施した後,総仕事量を運動記録から算出した。筋力変化量は,トレーニング期間の前後に等尺性膝伸展トルクを測定し算出した。重回帰分析にて筋力変化量と総仕事量の関連を,年齢,性別,その他因子の傾向スコアを交絡因子とし調整して検討した。
[結果]
筋力変化量は総仕事量(ρ=0.349,p=0.028),年齢(ρ=-0.319,p=0.016)と中等度の相関がみられたが,重回帰分析において筋力変化量と総仕事量の関係を交絡因子で調整した結果,有意な関連は見られなかった。
[結論]
筋力変化量と総仕事量は関連するものの,交絡因子の影響を考慮した場合,総仕事量の独立した関係は確認されなかった。
「KEY WORDS」高齢者, 筋力トレーニング, 総仕事量
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。