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原著

パーキンソン病患者における骨格筋の量的・質的低下が運動療法効果に及ぼす影響

鈴木光司會田隆志小柳穏関晴朗

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 138-145, 2021

[目的]
Parkinson’s Disease(以下,PD)患者において,骨格筋の量的・質的変化が運動療法効果に及ぼす影響を検討した。
[方法]
当院に入院したPD患者のみを対象に,AsianWorking Group for Sarcopeniaの診断基準と身体機能低下の有無により,運動機能低下群と骨格筋量減少群,対照群の3 群に分けた。測定項目は歩行速度,歩幅,Berg balance scale(以下,BBS),6 Minute Walking Distance(以下,6MD)とし,運動療法後の改善度を比較した。
[結果]
対象者は39名であった(運動機能低下群14名,骨格筋量減少群12名,対照群13名)。運動療法前の群間比較では,BBS以外の測定項目で,運動機能低下群が対照群より有意に低く,運動療法後の改善度比較では,歩幅,BBSでそれぞれ,運動機能低下群が対照群,骨格筋量減少群より有意な改善がみられた(歩幅:運動機能低下群>対照群,p=0.036,BBS:運動機能低下群>骨格筋量減少群,p=0.005)。
[結論]
PD患者において,骨格筋の量や質の変化によって運動療法効果に差が生じることを示唆した。
「KEY WORDS」ダイナペニア,サルコペニア,パーキンソン病,運動療法の効果

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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