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原著

ロコモティブシンドロームを有する高齢者における歩行介入が身体機能および生活活動に及ぼす効果

西村朋浩萩尾敦史浜口佳奈子栗原俊之家光素行真田樹義

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 131-137, 2021

[目的]
ロコモティブシンドローム(LS)を有する高齢女性に対する歩行介入が,身体機能および生活活動に及ぼす影響について検討することとした。
[方法]
地域在住高齢女性46名を対象とし,ロコモ度テストで健常群とLS群に分類した。10週間の歩行介入が筋量,筋力,歩行速度,2ステップテストへ与える影響および介入前後の身体活動量の変化を検討した。身体活動量は,歩行活動および生活活動に分類し,1.6~2.9METsを低強度身体活動量,3METs以上を中高強度身体活動量とした。
[結果]
両群ともに2ステップテストのみ有意な改善を認めた。LS群でのみ中高強度歩行活動の変化量と低強度生活活動の変化量の間で有意な負の相関関係を認めた。
[結論]
高齢女性における中高強度歩行活動の増加は,LSの有無に関わらず2ステップテストの改善に有効である。また,LS群においては代償的に低強度生活活動の減少を招くことが明らかとなった。
「KEY WORDS」ロコモティブシンドローム,中高強度身体活動量,生活活動,歩行活動

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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