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原著

通いの場への理学療法士の関与有無による身体的プレフレイルと健康関連指標の変化~1年間の非ランダム化比較試験~

森優太竹田徳則

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 122-130, 2021

[目的]
通いの場への理学療法士の関与有無による参加者の身体的プレフレイルから健常への移行率と健康関連指標の変化を明らかにする。
[方法]
対象は通いの場12箇所へ参加する地域在住高齢者182名のうち,日本版Cardiovascular Health Study 基準を用いた身体的プレフレイル該当者で,理学療法士の関与群34名と非関与群29名の2群とした。関与群には1回/月・90分・12ヶ月間の期間,集団体操や健康講話などとホームプログラムとチェックカレンダーを配布して健康行動を促した.効果判定は身体的プレフレイルから健常への移行率と身体的・精神的・社会的側面の健康関連指標の変化とした。
[結果]
1年後の身体的プレフレイルから健常への移行率は,関与群で48.3%,非関与群が34.5%であった。また,関与群では老研式活動能力指標の手段的自立(p=0.033),30-seconds chair-stand test(p=0.036),5m快適歩行速度(p=0.032),5m最速歩行速度(p=0.045)で有意な改善を認めた。
[結論]
通いの場への理学療法士による月1回の集団体操や健康講話を用いた支援によって,身体的プレフレイルからの改善の可能性が示唆された。
「KEY WORDS」サロン,一般介護予防事業,地域リハビリテーション活動支援事業,運動,プログラム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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