原著
保険調剤薬局(健康サポート薬局)におけるフレイル対策の有効性について
日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 104-112, 2021
[目的]
保険調剤薬局(健康サポート薬局)におけるフレイル対策の効果を検証する。
[方法]
地域在住の65歳以上の高齢者を対象とし,6ヶ月後の効果を検討した。測定項目はフレイル分類,栄養状態,食品摂取多様性得点,服用薬剤,GSES得点である。
[結果]
「フレイル状態」および「低栄養状態のおそれあり」の割合において,それぞれ減少傾向が認められた。さらに,食品摂取多様性得点およびGSES得点において有意な増加が認められた(それぞれp<0.05)。また,GSES得点と食品摂取多様性得点の増減は関連が認められた(p<0.05)。
[結論]
食品摂取多様性得点とGSES得点の有意な増加、および栄養状態およびフレイル状態の改善傾向が認められ,重要なフレイル対策のひとつであるバランスの良い食事を摂取するという食行動の変容が窺えた。したがって本取り組みは,保険調剤薬局のフレイル対策として効果的な対策であることが示唆された。
「KEY WORDS」健康サポート薬局,フレイル対策,低栄養改善,行動変容,ポリファーマシー
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