新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行に伴い,感染予防目的で他者との接触を制限する風潮が続いている。日本でも2020年4月,2021年1月と二度にわたって緊急事態宣言が発出され,外出を伴う活動の自粛が推奨された。特に感染症が重症化しやすい高齢者や内科的合併症をもつ人に関しては活動自粛による影響を受けている。このような活動自粛は,身体的な活動のみならず社会的な交流も激減させ,身体機能や認知機能の低下,栄養状態の悪化などを引き起こし,サルコペニアやフレイルの進行が危惧される。しかし,COVID-19が終息する傾向はいまだみえず,不活発な生活は,今後も長く続くことが予想される。そのような社会的情勢のなか,コロナ禍にあっても,感染予防と活動のバランスをとりながら高齢者の健康を維持することは,高齢者医療を実践するわれわれ医療者に課せられた課題である。
「KEY WORDS」COVID-19,活動自粛,高齢者,フレイル,サルコペニア
「KEY WORDS」COVID-19,活動自粛,高齢者,フレイル,サルコペニア